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紫尾温泉
旅籠 しび荘

TEL 0996-59-8001

宿泊料金　￥8,763 （二食付）
日帰り入浴　￥300，8:00〜21:00

紫尾温泉は、旅館三軒，共同浴場一軒だけの小さな温泉地。ネット上での評判と、湯治宿の本の情報により、旅籠しび荘に泊まってみました。

しび荘は、ひっそりとした佇まい中に建つ、小綺麗な外観の宿で、内部も落ち着いた和風の意匠が施されています。

通された部屋は二階の ”砂宝の間”八畳和室。ベランダは無いものの丸テーブルと籐椅子を備えていて、窓からは、風呂棟と森のみどりが見えます。

浴場棟は、階段を下り、板張りの通路を進んだ先にあり、廊下に入ると硫黄臭が漂ってきます。先ず男女別の内風呂、その先に露天風呂への引き戸があります。

先ずお湯をいただいたのが露天風呂。"入浴中" に札を変えて外に出ますと、すぐ右手が脱衣場。小さめながらプラ籠４つが置いてあります。そして石段を下ると小川の畔にせり出した岩組の露天風呂があり、せせらぎを聞きながらの湯浴みを楽しめます。

お湯は、さらりとしたつるり感がある硫黄泉で、湯温38℃とぬるめ。入らせてもらうと、ふんわりとした暖かさが体全体を包み込み、腕を上げるとつるりとしたお湯がゆったり流れて行きます。湯中には細やかな湯花が舞っていて、体に泡付きは見えないもののお湯は新鮮。自然と長湯になってしまいます。

湯口は岩湯口と塩ビパイプの２つ。岩湯口からのお湯を飲んでみますと、硫黄臭味が強いものの、なかなかいい味がします。

続いては内風呂のお湯。脱衣所はそこそこ広い板張りで、竹カーペット敷き。中央に大きな座台があり、４段の棚の上に17個のプラ籠がのっています。

風呂場は石張りで、湯舟は２つ。中央に小判形，タイル張りの湯舟、左手に長台形，自然石造りの湯舟があり、いずれも掛け流しで、湯口には飲泉カップが置いてあります。

先ず入らせてもらったのが、ほんのり緑色がかった下之湯を張った長台形の湯舟。
湯温は38℃とぬるめですが、体全体を覆う包容力がよく、押しつけがましさのないつるり感が魅力のお湯です。また、体を優しくいたわってくれる感じがして、ここでも自然と長湯になってしまいました。

続いては小判形の湯舟。こちらは湯温が42℃と熱めになっていて、共同泉源の上之湯を張っています。綺麗な澄明湯は滑らかで新鮮。こちらの方がつるり度が高い感じで、よく暖まっていい入浴感があります。
源泉は、ライオンの湯口から注がれていて、飲んでみますと、やや甘味があって、やはり硫黄臭味が強い味がします。

☆ 食事と朝湯

６時からの夕食は１階の食事処にて。献立は、
最初に、
・木耳，肉・ワラビ３品の先付け
・筍，大海老，小魚，帆立，薩摩揚げの盛り合わせ
・お造り
・山菜の天ぷら
・猪鍋
そして、
・鹿刺し
・豚しゃぶ
・グラタン風の甲羅焼き
の八品にデザートとして干し柿シャーベットが付きます。

先ず、甘味噌仕立ての猪鍋が暖まっておいしく、対照的にきっちり冷えた鹿刺しも珍味かつ美味。そして、鹿児島の味の豚しゃぶ、蟹の甲羅焼きまで、すべていただいて、満腹かつ満足。バラエティーに富んだ美味しい夕食でした。

翌朝は５時半に起床し、早速朝湯へ。下之湯は昨日と同様薄緑色を呈していて、やはりぬるめですが柔らかさがいいお湯。しばらく浸かっていると体と同化し、何ともいい心地になってきます。また、腕をさするとつるつるして自然の化粧水に浸かっているような気がします。
そして、上之湯は熱めできりりとしたお湯ですが、強めのつるすべ感があります。異なった浴感の硫黄泉２つに入れて、贅沢な朝湯になりました。

７時半からの朝食は、塩鮭，焼き海苔，生卵，湯豆腐，納豆，山菜二種がおかずで、デザートとしてメロンが付きます。

先ず、ほんのり甘いミルクのような湯豆腐がよく、山菜もご飯に合っていい味。筍がたくさん入った甘味の味噌汁もおいしく、ご飯をおかわりしてたっぷりいただきました。

ここは、気持ちのいいお湯，雰囲気のよさ，美味しい料理と　三拍子揃った宿。気に入りました。

（2009/04/26 　14:26　Check-in)


〔源泉名〕紫尾温泉１号（上之湯）
〔湧出地〕鹿児島県薩摩郡薩摩町紫尾字十良2165-3
〔泉　質〕単純硫黄泉
〔源泉温度〕50.3 ℃（気温34℃）
〔性　状〕無色澄明，微硫化水素臭，微硫化水素味
〔水素イオン濃度〕pH 9.4
〔蒸発残留物〕0.2904 g/kg
〔成分総計〕373 mg/kg（Na: 110.2, K: 0.9, NH4: 1.0, Ca: 0.8, F: 2.8, Cl: 6.3, HS: 12.2, S2O3: 1.0,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 SO4: 0.7, HCO3: 141.6, CO3: 51.6, H2SiO3: 40.8, HBO2: 3.8 mg/kg）
　　平成13年9月14日

〔源泉名〕紫尾温泉２号（下之湯）
〔湧出地〕鹿児島県薩摩郡薩摩町紫尾2169-4
〔泉　質〕単純硫黄泉
〔源泉温度〕44 ℃（気温21℃）
〔性　状〕無色澄明，微硫化水素臭，微硫化水素味
〔水素イオン濃度〕pH 9.2
〔蒸発残留物〕0.2736 g/kg
〔成分総計〕323.3 mg/kg（Na: 76.3, K: 0.8, NH4: 0.9, Ca: 1.3, F: 2.4, Cl: 10.8, HS: 12.1, SO4: 1.2,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 HCO3: 141.0, CO3: 43.2, H2SiO3: 32.8, CO2: 0.1, H2S: 0.1 mg/kg）
　　平成9年7月12日

〔浴場の形態〕男女別内風呂，貸切露天風呂
〔公共交通アクセス〕ＪＲバス 宮之城（鉄道博物館前）より送迎